微酸性電解水の生成プロセス
微酸性電解水は希塩酸のみを原料とします。希塩酸を無隔膜電解槽で電解し生成した電解液全てを水で稀釈して生成します。殺菌成分は分子状次亜塩素酸です。各生成工程においては、純粋な分子状次亜塩素酸溶液を調製するために下図のような項目が制御されています
- [ 原料 ]
不純物を含まない微酸性電解水を調製するために純度の高い物、、生成効率及び原料の取り扱いの便宜性を考慮して濃度を決めます。また、生成量に応じて供給量を制御します。 - [ 電解 ]
副反応を抑えて純粋な分子状次亜塩素酸を生成するために、電圧、温度は重要な要素です。また、流速、電流密度、電流値、電圧は濃度やpHあるいは生成効率に影響しますし、温度や電流密度は電極寿命に影響するファクターです。 - [ 稀釈 ]
稀釈率は濃度、希釈水の硬度はpH、混合方法はその両方に影響します。
これらのファクターを適切に制御し微酸性電解水のpHおよび有効塩素濃度を調整します。

電解槽の中では次のような反応が起きています。原料の希塩酸には水素イオン(H+)と塩素イオン(Cl-)が含まれていますが、水素イオンは陰極上で電子を受け取り水素分子(H2)ガスとなって、溶液から出ていきます。一方、塩素イオンは陽極上で電子を奪われ、一旦塩素分子(Cl2)となりますが、周りの水と反応して分子状次亜塩素酸(HOCl)となり、一部は再度塩素イオンとなりますが、この塩素イオンは再度陽極上で電子を奪われ同じ反応を繰り返します。電解液はすぐに希釈され分子状次亜塩素酸の溶液、つまり微酸性電解水が調整されます。

分子状次亜塩素酸について
ところでなぜ分子状次亜塩素酸なのでしょうか。実は分子状次亜塩素酸は私たちの体を守るために重要な働きをしているのです。それは次のような仕組みと考えられています。細菌等が侵入すると、それを感知したヘルパーT細胞などが信号物質を放出します。それを受けた好中球は侵入者を補足し、同時に複数の酵素を使って、酸素と塩素イオンから分子状次亜塩素酸を合成し、それで侵入者を殺します。

つまり分子状次亜塩素酸は私たちの体にとっては必須の分子の1つなのです。だからと言って絶対に安全というわけではなく、できるだけ低い適正な濃度で弊害の無いように使うことが肝心です。私ども微酸性電解水研究所はそのような観点から決めた有効塩素濃度で微酸性電解水を使用することを推奨します。
ところで下の図をご覧ください。この図は熱や薬剤に最も耐性のある細菌の1つ枯草菌の芽胞を使って微酸性電解水の殺菌力を調べたものです。横軸は温度、縦軸は菌数を6桁減少させる(百万分の1にする)のに必要な時間を分で表しています。温度が高いほど短い時間で殺菌できること、つまり殺菌速度が速くなることが分かります。この図で人の平熱である36〜37度の時と病気で熱が出て40度近辺になった時を比較すると、熱が出た時の殺菌速度が平熱の2倍程度になっているのが分かると思います。病気で熱がでるのは、侵入した病原菌をできるだけ早く殺そうとしているのかも知れませんね。
